風と草
ゴツプロ!公演「イノレバカ」
2023-08-18
こんにちは、副住職の源さんです。
先日、ひょんなことからご縁があり、ゴツプロ!という劇団を主宰する塚原大助氏から「お坊さんを題材とした演劇をやるので、お坊さんの所作や衣装などについて教えてほしい」との連絡をいただきました。
下北沢の本多劇場にて8月30日~9月10日まで公演される「イノレバカ」という劇です。
詳細はゴツプロ!HPをご覧ください。
私が通っていた早稲田大学第一文学部は演劇が盛んで、演劇ワークショップの授業があり、演劇好きの友人も多く、演劇博物館に行ってみたり、小劇場に見に行ったりしていたものですから、喜んでお引き受けいたしました。
数日後、広福寺に劇団員の方がいらっしゃり、お経の読み方、坐禅の組み方、お坊さんらしい所作振る舞い、衣装、仏教思想などについてお話しました。
チラシでは有髪ですが、実際には皆さん綺麗な坊主頭。
質問も大変細かくマニアックで、こちらが「そこまでこだわりますか!」と驚くほど。
「フィクションだからこそ、リアルにこだわりたいんです」との言葉に胸を打たれ、お坊さんの衣装である絡子(らくす)と、お経の際に叩く鐘をお貸しすることにしました。
演劇に打ち込む方々の熱意って素晴らしいですよね。
少しでも良い舞台になったらうれしいです。
私もすぐにチケットを予約しました。
楽しみ楽しみ。
よければ皆様もぜひ足をお運びください。
ちなみにタイトルの「イノレバカ」には二つの意味が込められているそうです。
それは「祈れ馬鹿」と「祈れば力(ちから)」。
禅宗の修行では「馬鹿になれ!」とよく言います。
頭でっかちになったり、小賢しくなったり、うだうだと口ばっかり動いているようではダメなんです。
見栄や外聞に捉われずに、考えるよりも先に動くような、無様かもしれないけど一心不乱に打ち込むような、そんな境地を目指すために「馬鹿になれ!」なんですね。
そして、変に凝り固まった知識を捨てて「馬鹿」になれたとき、拠り所となるのは「祈ること」なのではないか、とタイトルを聞いて思いました。
きっと人生が良い方向に向かうと信じて、一生懸命に祈ること。
それは今恵まれた人生を送っている人から見たら、馬鹿馬鹿しく見えるかもしれない。
しかし辛い状況に置かれたとき、祈ることは、生きる力そのものとなり得ます。
祈りのすべてが実を結ぶほど現実は甘くないですが、祈るという行為は確実に私たちに力を与えてくれます。
まさに「祈れば力」です。
そんなことを考えていたらますます「イノレバカ」が楽しみになりました。
いったいどんな話なんでしょう??
BonJoviのLivin' On A Prayerが流れたら爆笑しちゃうな。
文系男子の妄想は止まりません。
それでは、実は演劇好きの源さんでした。